“みかん草生栽培”温暖化対策としては清耕栽培よりも草生栽培が有効!みかん葉色が薄いが大丈夫?
これからの“みかん技術”
~ 2020年03月20日

清耕栽培
(せいこうさいばい)
草を生やさない
裸地の状態のみかん園です。
見た目は
管理が行き届き
高品質みかんに
期待できそうな園地です。
草をゼロにできたと
達成感に満ち溢れています。

問題点は
〇土壌流亡と
肥料成分の流亡
〇夏場の
高温・乾燥による樹勢低下
〇土壌硬化
高濃度窒素により発根低下(細根)
〇ジベレリン活性

草生栽培
(そうせいさいばい)
草を生やして
みかん園を管理します。
草に対して昔から
悪者扱いする方が多く
草を生やすと
病害虫が増えるとも言われ
美味しいみかんに
なるわけがないとされる園です。

問題点
他人に文句を言われること。
草に栄養分を奪われるのでは!?
実際は
メリットの方が多いです。
〇土壌流亡と
肥料成分の流亡防止
〇夏場の高温・乾燥から
みかんの根っこを守ります。
〇土壌の物理性
微生物性が改善できます。
〇土壌三相
固相、気相、液相のバランスを保ちます。
〇地下茎ネットワークで
窒素やアミノ酸など供給されます。
〇肥料の施用量を減らせます。
〇光合成のサポート
水+二酸化炭素+光エネルギー
草の緑色が
濃く強く見えて
みかんの葉色が
薄く見えることで心配されますが
大丈夫です。
このみかん園では
葉色を薄く保っています。
理由は高糖度
病害虫軽減が狙いです。
葉色が濃すぎると
糖度は上がらず
病害虫に負ける心配があるからです。
植物ホルモンでは
ジベレリンを抑えて
アブシジン酸を活性化させます。
葉色が薄くなります。
肥料が足りないのではありません。
みかんの味を
重視するのであれば
この薄い葉色が自然なのです。
みかんは奥が深く
努力に土力が欠かせません!